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たびレジからのお知らせ
海外旅行に出る前に日本政府のたびレジにメールで渡航先や日程を登録しておくと
その国に関する安全情報などが送信されてきます。
今回もコーカサス滞在中に「集会、デモに関する注意喚起」と題してメールが送られてきました。
私の中で集会とは数十人の人が昼間にプラカードを掲げて抗議するようなイメージしかなく
だから対して気にも留めていませんでした。
しかも法案とはありますが、一体何の法案かも書かれていし
議会に立ち寄ることもないので大丈夫と、正直「他人事」でした( ;∀;)
不穏な空気を察知できず・・
日帰りツアーに参加する4月29日、目貫通りのルスタベリを朝8時頃歩いていました。
地下鉄を降りて歌劇場までの間、道路は閑散としていて歩く人もまばら。
ジョージアの朝は遅いのか通勤ラッシュもなく平日なのにあまりの静けさにびっくりしていました。
日本のようにモーニングをやっているカフェもありません。
議会前を通りましたが何やら大掛かりな装置を設置中。
私は何か楽しいイベントでもやるのかな、くらいにしか考えていませんでした。
これがまさかの・・・
ツアーから戻ってみるとトビリシは大混乱!!
日帰りツアーは予定通り何事もなく、順調にトビリシまであと少しというところまで戻ってきました。
しかし古都ムツヘタを過ぎたあたりから渋滞が。
18時を過ぎていたので通勤ラッシュの渋滞だろうと思っていたら
市の中心に近づけば近づくほど同じ白いバンの行列が目に着くようになります。
ガイドさんによると「政治家がバスを仕立てて支持者を呼んできてる」みたいな説明だったので
近々選挙でもあるのかな、とデモ関連の事とは気づいていませんでした。
そのうち乗っているバスは動かなくなってきたので、参加者の何人かは途中下車していきました。
私は解散場所まで行くしかなかったのでそのまま座っていましたが
結局歌劇場までバスは行くことができず、その近くの公園前で降ろされました。
降ろされた場所が公園とわかっても東西南北、一体どこにいるのかわからなくて
何度も警官に聞きながらやっと地下鉄の駅(議会の真隣!)を見つけることができました。
そこまで行く道は人で溢れかえり、地下鉄の駅も日本の通勤電車並みに「人がひしめき合う」状態!!
日帰りツアーで疲れていた上に最後の最後でこんなことに巻き込まれてぐったりでした・・((+_+))
デモ集会?に接して
この日の混雑が果たして抗議活動だったかは不明です。
誰かが手配した大型バスやバンで多くの人が議会周辺に押し寄せていたのはわかりました。
公園でたむろしている人には老人も多く、歩いている人々に殺気はなく
あちこちに出ている警官も穏やかに私に道案内をしてくれたので危険は感じませんでした。
議会前の大型スクリーンではスーツを着た人が演説をしており
多分これは政治家が「法案の正当性」をアピールしていたのではないかと予想します。
周りでスクリーンを囲んでいる人々はだた見守ってるだけで特に抗議の様子はなし。
これはデモ?いやただの説明集会???
後でジョージア人ユーチューバーさんの動画を観てなるほどと思ったのですが
バスでやってきた人は政府を指示している人ばかりではないとのこと。
お金をもらったり、脅されたりして仕方なくトビリシまで来さされて
政府支持をしてるかのようにふるまっているそうで、それなら納得の状況です。
このような状況は5月下旬まで連日続いた模様で、市民による本格的な抗議デモは5月12日に行われました。
日本人には理解できない暗い歴史
ジョージアはその地理的環境からずっと
周辺大国(北にロシア、南にペルシャ等)に翻弄されてきました。
最後に支配されたのはロシア帝国、ソ連で、
人々の記憶の中にまだはっきり当時の出来事が残っていると思われます。
(ロシア文化の押し付け、少数民族の他国への強制移住、政治の不正などなど)
ロシアへの積年の恨みもあるでしょう。
だから今回のロシアで施行されている法律にそっくりの
外国から資金提供を受ける団体を事実上スパイとみなし規制する「外国の代理人法案」を
国民が大反対するのも頷けます。
(実験を握る首相はロシアとの太い繋がりがあるそう。)
一方で疑問に思うのは
ジョージア人は自分たち固有の土地はロシアに支配されたくない、
なのにジョージア内に住む少数民族(アブハジア人や南オセチア人)が分離独立するのには反対、
武力で抑え込む、というのには……
例えば私たちに置き換えて考えてみましょう。
日本が中国に長年支配されていてやっと独立した、
だけどまた中国と同じような法律を政府が容認しようとしている、
そして国内で沖縄人が分離独立しようとして中国がそれを支援している、
そんな状況。きっと複雑な事情があるのだと思います。
私たち支配されたことのない日本人には理解しがたいことです。
法案の結果は
ナティ子さんの動画でわかりやすく説明してくれていますが
5月中旬に一旦(お飾り人形、と彼女が指摘する)サロメ・ズラビンヴィリ大統領が
法案に反対姿勢を表明したものの、
結局5月28日に議会で投票、賛成多数で法案が通過したそうです。
今後LGBTに対しても応援しない立場を取るでしょうとのこと。
ただ今年後半に選挙があるので法案は覆る可能性もあるみたいです。
今回のジョージアのデモからの感想
まず旅行者として
★海外のデモを甘く見てはいけない!集会は昼間という固定観念はダメ!
集会場所に用事はなくても今回のように解散場所の近く等どうしても近寄ることになる場合は
避けて通るルートも調べておけばよかったと反省。
もっと事前にその規模や一体どんなこと(今回では法案の内容)で抗議しているのか
正確に知っておく必要性を感じました。
これ以外には
1)
日本と比べてジョージア国民は
政治に対しての関心が高く、反対の意思があればそれをちゃんと行動で示すということ!
2003年にはバラ革命でそれまでの政治体制を国民の力で崩壊させています。
5月12日には各地で10万人規模の抗議デモが発生!!
この国民の行動力は半端なく、素晴らしいと感じました。
2)
ジョージアの国民約80%はEU加盟、欧州化を望んでいます。
確かに歴史を見るとロシアに不信感を抱くのは当たり前と思いますが
そのEUが果たして素晴らしい組織なのか・・”(-“”-)”
EU議会の構成員は選挙で選ばれていない人々。
その勝手に任意で決められた人が率いるEU議会はヨーロッパ各国の上に立つ存在で
EUが「こうしなさい」と言えば、各国はそれに従わざるを得ません。
(例:ハンガリーの移民政策をやめさせる、フランス・イタリアのアフリカからの不法移民受け入れ指導等)
従わないと脅迫されるのです!未加盟の他国にも干渉→欧州委員に「恐ろしい脅迫」受けた ジョージア首相
国民や国がその規則はおかしいと思ってもどうすることもできないのです。
EUはグローバリズムを推進しようとしていますが
グローバリズムのデメリットは
一部の成功した企業や個人に富が集中したり他の大多数が貧困に陥る可能性もある他、
地域固有の文化や価値観が薄れ文化が均質化してしまう恐れがあります。
又、第3世界では脱ドル化、脱アメリカに進んでいて
中東、グローバルサウスやBRICS、その他諸国が欧米に対抗したを形成しようとしている中、
今後EUはどうなるのか?(欧米優勢の世界が変わる可能性も!)
ウクライナ戦争の発端は2004年に遡ってオレンジ革命と思われますが
アメリカユダヤ人が影で操りCIAが起こした革命とも噂され、
ウクライナ戦争はロシアとアメリカの代理戦争とも言われています。
(バイデン大統領家族もゼレンスキーも戦争で儲けている)
現地の人からすればロシアの影響を恐れる気持ちは理解できますが
EUなら必ず明るい未来に導いてくれると考えるのは
第3者の目からみるとうーーーんと思ってしまいます。
3)
トビリシの街を眺めているととても平和で人の暮らしも幸せそうに見えます。
しかしながら人々の暮らしには深い歴史の闇が眠っていることに驚きました。
ジョージア人は支配された経験を持つのになぜ少数民族の分離独立に対して
武力を持って制圧しようとするのか?
日本人の私には理解しがたいところがあります。
次に紹介するYoutube動画の最後には南オセチア側からの現地人の言葉があります。
「ロシアは自分たちをジョージアから救ってくれた救世主だ」と。
立場や視点が違えば全く反対の考えになるということ、
世界を見る時には片方の報道や意見を聞くだけでなく、
両方の意見を聞くことが大切だと思います。
↓第4章にアブハジア共和国に関して書いてあります。
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以上、今回は政治に関して考察してみました。
次回はトビリシ空港からアゼルバイジャンへの道のりを投稿したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!